2010 - 2023年 絵描き活動総まとめ

2010年から続けてきた絵描き活動、いよいよ最後の年になりました。

2022-23年のまとめ

引き続き意識していたのはリビドーで、己の欲求のおもむくままに描くこと。これは原点回帰とも言えますが、かつてと質が異なります。自分の絵のタッチが固まってきて、思いつきを一枚にまとめられるようになりました。イラストや漫画のような絵です。圧倒的に増えたのが、人間のモチーフです。

SNSと和解したことも影響しているでしょう。そこで孤高に振る舞うのではなく、皆に面白がってもらうことを考えるようになりました。反応してもらえばそれが刺激となり、毎日絵を描いては投稿を繰り返し、数百点の絵を描くことができました。12月の1ヶ月間で、日々の記念日をモチーフにした絵を投稿したりしました。

それまでは、一般の作家や作品のあり方・周辺の状況に対する反骨心に燃えていました。
たとえば、絵をしばる額縁が嫌い、アトリエにこもる制作態度が嫌い、作品に作家性はいらない、鑑賞者がいて絵は完成する、絵は描かれる瞬間にある、描くたびに新しい宇宙を開く、等々。創作のために怒りの炎を自らに宿し、ひたすら実践・行動しました。これまでブログ記事に書いてきた通りです。それが大きく変化したのが、この2年間でした。

一方で、斎藤暁先生(理論物理を研究されています)に薫陶を受け、共著として本を上梓していただくなどしました。その中で、ほんのさわり部分ですが先生の論考から絵物語を描き起こすこともしました。また、『生成消滅図』という、白版・黒版で一幅(表裏)の精密画作品も仕上げました。これは世田谷にある’Global Room of Science & Art’ に展示していただいています。

プライベートでは、子供を授かるという一大イベントがありました。ただそれにより作品が影響されたかというと、全くありません。育児はもっぱら困難が多く、むしろそれから自由になるための創作であったように思います(発想と創作の源泉は潜在意識やリビドーによるものです)。生活の自由度が減って外へ出にくくなったため、イベント事もしなくなりました。
画業の総まとめ(2010〜2023年)
出会いも多く、外に出て活発に活動していました。コロナ禍を経て、インターネット中心の発信へと変わっていきました。

⚫︎モチーフのねじれ、入り組んだ構成(ただし行き当たりばったり)、奇想絵をスタート。
⚫︎大きいものを小さく、遠くを近く。この手法は『山水船』2012.で完成しました。
⚫︎架空の密集物を立体的に細かく描く。これは蝸牛シリーズや細菌絵2013.に見られます。
⚫︎複雑な一つのものを様々に描く。『石絵集 異極考』2016.で試しました。
⚫︎ワンテーマでイラストを描く。SNSを活用、400点ほど投稿。2020〜2022年頃。

初期の作品:そびえ立つキリンやクマ、コンクリの枠に入ったゾウ、夜街を内包したネコ、長屋と一体化したサンショウウオ、奇人シリーズ、等。描きたい絵ではなく、描ける絵を自由に。

終盤の作品:テーマを設けて構成を考えたり、分かりやすい諧謔性を含ませたり、計算しながら具体化できるようになりました。底知れぬシュールな絵すらも、あらかじめ線を選択して一つの絵として仕上げるようになりました。

初期から終盤まで私らしい奇妙さについては一貫していたと思います。