「カチッ」の何万倍?

たとえばサイトでは、たった「カチッ」という1クリックさえも、押してもらうのは大変なこと。(だからこのブログでは、一度にすべてを見せる作りにしてある。)個展では、私の気軽なたった一言の呼びかけで、来てくださった方もいた。そのために要する 時間・距離・エネルギーは、一体「カチッ」の何万倍だったろう。何より、その気持ち。ストレートな感激があった。
そもそもの始まりは‥‥

 
(Twitterへの投稿より)
その方 :「情けないわたしは電車に乗っています」
私 :「こんにちは …もしよろしけば 気分を変えて
  ヘンテコな絵はいかがですか(唐突でごめんなさい)」

だれもいないギャラリーで、ふと携帯に書きこんだ私の一言。
‥‥30分後、言葉は本物になった。すばらしき訪問、対面、会話。
後日、その日のことをその方はブログに記していた。逡巡がなかったわけではない。そうだろうと思う。
それにしても、行動だ。
凡庸な1日を、新しい色に塗りかえてしまう不思議。自由。
カバンにスケッチやら本やら放りこんで、ぶらっと電車に乗り、どこかの街や田舎を歩き、絵を描き本を読み、人と話し、食事する。
歩きながら考える、知らない場所で息をつく、時間をもすり抜けて。
‥‥次は、私だ。私の番だ。私もやってみよう。21世紀のビルの谷間で、山頭火なり放哉なりに、なろう。酒なしでもね。