髪屋の絵描き


夏の入道雲の先を曲がったところに
それは建っていた。
明るくてにぎやかな。
おしゃべりがブクブクとブヨブヨと
泡(あぶく)のように。
彼女がくれたクッション。
入り口のアクアリウム。
反射するリノリウム。
夕立と日射し。

美容師がやさしくしてくださるので
絵も腑ぬけた様子となりました。
水槽からあふれ出る 一本の巨きな木。