描き上げられた葬層

線をつらねて、層をつらねて、思いをつらねて。
3日間、無言、祈り、集中の作業がおわった。
その絵のタイトルは「葬層」。
なくなられた御霊の数に、およぶだけの線を
私は引けたのだろうか。

描き始め、思いは心層に埋もれていたのだと思う、
急に涙があふれ出した。
描いても描いてもあふれて止められなかった。
本当の嗚咽だった。

下から描きはじめ、絵は一番上に、
朝陽を描き入れて出来上がった。
稚拙で、心のままで、私をぶつけただけの絵だ。
この気持ちを忘れないでいたいと思う。
そしてまた明日、新しい陽は昇る。