【夢466】

(夢466番は長くてツイートしきれないため、このブログに記す)
ローカル線*で 架空の東府中に行った 閑散とした住宅地の先 少し開けた土地 に点々と廃墟となった 昭和初期ごろの木造建ての家々 すばらしく気に入る 「カメラ‥‥」私は携帯もデジカメも 忘れているのに気づく 高い壁の向こうでは工事車両が 轟音を立てている 「近いうちにまた来よう」 でも帰り道がわからない 遊んでいた男の子に 声をかけ 駅まで案内してもらう 駅舎のベンチ 電車を待ちながらジャケット姿の男と話す 彼がカバンを開けると うどんがたっぷり 薄い色のうどんツユを持ち 箸でカバンからうどんを食べ始めた 「これじゃ無理だ」見ると彼の左手がふるえている ふたりでそのふるえをじっと見つめるが 止まらない 気がつくと電車が来ていた 入り口に係の中年女性がいて 整理券を取れと促される 運転席で運転手がふたり 前の車両の運転手と 困り顔でボソボソ相談「大丈夫?」「まずいよ」「どうする」 三人とも若い女性 車内は黒い木の床に 安っぽい樹脂のひとりがけイスが ぽつぽつ 座るとやっと出発 運転手は中年男性に替わっている「20分遅れで発車です」轟音 ひどく揺れる 架空の八王子に着き 出口で運賃 係の中年女性が 料金がわからずあたふた 同僚に聞いてやっと「430円です」私はむっとして新しい長財布から 小銭をめちゃくちゃにまぜて 433円出す「あっ3円はいいです」と返され なぜかますます腹立たしい 駅を出て歩いていると 路地から 変な髪型の老人が自転車で飛び出してきた のでふり返り「危ないよ!」とめずらしく大声で怒鳴り** 小さな声で「気をつけてね」とつけ加えた 老人に「逆ギレ」されるのが怖かったのだ

*筒井康隆 著『夢の木坂分岐点』に出てくるような市電。自分の深層心理に迷い込んでいくような、奇妙な
入れ子状の小説。似かよった小説として『脱走と追跡のサンバ』も。こちらはさらに奇妙奇天烈で好きです。
**夢で叫ぼうとしても、たいていは声がかすれ、何度か苦しみ、実際に叫びだしながら目覚めてしまうのです。